今回のスコアカードホルダー、オーダー事例はコードバンでの制作です。
コードバンは革のダイヤモンドとも呼ばれる革。
実はこのコードバン、牛革ではなくて馬の臀部、つまりお尻の部分の革なんです。
普通の革と作り方も違っていて、表皮を使ってない特殊な作り方をした革なんです。
馬のお尻の部分のしなやかで繊維が詰まっていて密度のある部分を削り出して鞣して(なめして)磨いた、革の最高級品なんです。
だから革自体のお値段も普段使っている牛革の10倍ほどもします。
さて、今回のオーダーはメンバーコースのスコアカードのピッタリサイズでの制作です。
通常はスコアカードをホールドするポケットが4隅にありますが、今回のオーダーではそれに加えて左右に深いポケットを追加です。
この深いポケットがあると4隅ポケットにもスコアカードを入れることもできるし、深いポケットにスコアカードの片側を入れれば、スコアカードはかなり安定します。
さて、まずはスコアカードの現物を送って頂き、そのスコアカードのサイズで設計します。
設計が終わると、厚紙で実物大の大きさで試作してスコアカードを入れてみます。
スコアカードを4隅のポケットに入れてみます。
左のポケットにスコアカードを入れてみます。
そして入れたまま、閉じたり開いたりしてサイズに問題が無いか確認します。
この試作したスコアカードホルダーに問題がなければ、実際の革、コードバンで部品を切り出していきます。
切り出した革の部品の表面には保護のためのテープを貼っておきます。
コードバンはデリケートなので革を薄くする作業(革漉きといいます)の際に機械で表面を傷つけないようにするためです。
他の革ではこの作業をしません。
コードバンは革の価格が高いうえに手間のかかる作業が多いのです。
そんなこんなで完成です。
今回のコードバン、最高級品の革だとお伝えしましたが、制作時はやはり緊張します。
しかし、コードバンは革の品質が非常に一定していて、作っていても気持ちがいいんですよね。
革包丁で切っていっても、スゥーっと一定していて引っかかりがない。
手縫いで人を引き締めるときもすぅっと気持ちよく締まる。
コバ(革の切り口のこと)にやすりを掛けたり染料をしみこませていても、なぜか気持ちがいい。
流石に最高級の革だけあります。
オーダー頂いたお客様に気に入っていただけることを祈っております。
さて気になるのはオーダー価格ですが、名入れ刻印や深いポケットを追加して約4万円です。
一般的な革、オルフェで同じ仕様で作ると約2万円となります。
こちらにオーダー制作時の価格表を作りましたので参考になさってください。
では。